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2007年08月 アーカイブ

2007年08月01日

マット DE 怪我 その2

その2、~いくらマットがあるっていっても、そりゃあダメだろ・・・の話~

昔、ロスでパワーレンジャーの撮影をしていた頃・・・
横山さんが2nd Unitで監督をしてた時の話です。

自分はピンクレンジャーだったんですが、そのエピソードの盛り上がるファイトのところで
監督から「ここでダブル宙して欲しいんだけど」と言われ、
快く引き受けて、ミニトラと厚マット(高飛びに使うようなスポンジの暑いマット)を
2枚重ねてセッティング完了。

その日は夏の暑い日で、ダブル宙の前に立ち回りも撮って
いい流れでダブル宙もバッチリ着地まで決まりました!

で、後日・・・
そのシーンの続きを撮る事になっていて、
今度はダブル宙の2回目を開いて(1と3/4回転)ドロップキックにしたいと・・・
前回のダブル宙と編集でつなげると3回転ドロップキックになるというわけです。
いつもならなんなくできるところですが・・・
なんとこれがこの日のファーストショット!
時間にするとAM7:30くらいです(-_-; カラダガマダオキテナイ・・・

プロとしては朝だろうが夜だろうが仕事の時はバシッと決める!
・・・と言いたかったのですが、体慣らしに何回かトラを踏ませてもらっても
どうも体の締まりが悪い・・・2回回れるかな?という感じでしたが、
朝一発目のショットからそんなに待たせるわけにも行かないので、
「お願いしまーす!」で本番。

いつもの感覚ならグルングルパッの感じで開くのですが(わからないですよね;´ー`)
いつも通りの感覚でパッと開いたらズンッ!

・・・なんと見事に1と半回転!
自分は逆さ十字架のようにマットに脳天から突き刺さりました。

自分の感覚的にはマンガのように一回逆さまでガンッ!
と止まってからゆっくり倒れるような感じ(笑)でした。

一回半回って頭から着地するとさすがにスゴイチカラが首にかかるので、
アゴが胸に刺さるかと思うほど、首がグニッとなりました。
マットに仰向けに大の字に倒れて「あ~~、失敗しちゃった・・・」と4秒ほど停止。
モニターしか見ていない監督には何が起きたのか把握できて無い。
・・・ので、「こしげもう一回行ける?」といつもの声。

失敗したので、もちろんもう一回やらなきゃと立ち上がったのですが
なにやら胸の真ん中に違和感・・・痛み?
とにかくこのカットを終わらせようともう一回挑戦!
自分的には切れの悪い前宙キックになってしまったけどOKが出たのでとりあえず。

その日の午後、時間が経つにつれ胸の痛みが・・・
監督に説明して、午後は自分のスタントを控えめにしてもらい後日病院へ・・・
胸のアバラとアバラが着いている真ん中の骨(わかります?)にヒビでした(;┬_┬
いわゆる圧迫骨折というやつだそうです。

さすがにこの時は2ヶ月ほど出番は休みました。
だって怪我ですもん!("`ー´ノ サスガニコレワナ!

それからというものトランポリンやリアクションなんかが朝一になる事はなくなりました。
スタントマンにとってはとってもありがたい配慮です(*´∇`ヾ タスカリマス。

朝一で動く時は皆さん気をつけましょうの巻でしたとさ。

2007年08月22日

マット DE 怪我 その3

その3、~マットがあっても、マットによっては・・・の話~

何年か前、日本に帰国中にもらった仕事。
それはAACの仕事ではなく、よその事務所から依頼されて自分だけ行った現場でした。

やる事は自転車で後輪浮かせて前に倒れるというもの。
自分的にはチャリの後輪浮かせるくらいは小学生の頃から良くやっていた事だし、
そのまま倒れるのもスタント歴◯◯年の自分なら何てこと無いだろうとタカをくくってました・・・

そして現場について、まずは本番で使用する自転車のチェック。
前ブレーキが効かなかったら後輪浮かせには致命的!
というわけで少し勝手に乗らせてもらって大体OK!

そしていよいよやってきました!自分の出番!!
フツーにチャリに乗ってきて、カメラの横でいきなり後輪上げて前にぶっ倒れるわけですが、
絵的には倒れながらフレームアウト・・・なので、マットを置いてくれました。
これでもう恐いもの無しになったわけですが、逆にスタントマンとしての欲も出ちゃうわけです(;´ー`ゞ

現場のスタッフにも「あっ!」と言わせてやろうみたいな・・・余計な事を(笑)

カメラや照明諸々の事を含めて3回リハーサルして、大体はOK!
だったんですがカメラさんがもう一回リハーサルやらせて欲しいということで4回目。

この時用意されてたマットは、まさに学校においてある高飛び用の白くて厚いスポンジのマット。
高飛びの時は2、3枚重ねて使用される、やわらか~いマットです。

でも、現場にあったのは1枚。
川原のサイクリングロードで、地面はアスファルト。
リハーサル3回目までは安全に自転車が倒れる寸前、フレームアウトするやいなや体を反転させて
足から着地してましたが、4回目のリハーサル!
ここらで1発本番用の思い切った奴を見せておくかと張り切って体を反転せず、そのままマットにズンッ!

その時!!
ガキッ!と明らかに右肩から何かが外れる感覚・・・脱臼か!?
立ち上がって右腕を回してみる・・・ガキン、ガキンと明らかに何か外れたものが当たる感覚。

・・・こりゃダメだ(゚Д゚;

素直にその時のアクション監督にギブアップ("┬┬ スイマセン・・・!

そのまま近所の接骨院へ。
診断結果は「肩鎖関節脱臼(ケンサカンセツダッキュウ)」という、肩の骨から鎖骨が外れる脱臼でした。
これが自分の右肩の初めての怪我になりました(;´ロ` アーッ・・・コレガハジマリ。

この時の怪我はマットに対する過信とマットが柔らか過ぎたという事でした。
マットがあったので思いっきり行ったんですが、柔らかすぎるマットはその衝撃を吸収しきれず
アスファルトまでそのまま沈み込み、マットが無いのと同じ状態で肩から落ちた状態になってしまいました。
そりゃ・・・怪我するわな・・・(-_-;

呼んでくれたアクション監督には申し訳ないし、現場には迷惑かけるしで立場がありませんでしたよ、本当に。
でも、本番はまだやらずに怪我してしまったので仕事は終わってません。

という訳で・・・アクション監督自らやるから、こしげよ!どうやるか俺に教えろという事態になりました。

1日その撮影は延ばしてもらい、アクション監督(自転車経験ほとんど無し)の特訓が始まりました。
その日日が暮れるまで、次の日出番のお昼まで・・・猛特訓です!

そして本番!
見事!そのアクション監督はやり遂げてくれました!!(*☆ロ☆ ス、スバラシイ・・・アリガトウゴザイマシタ!!

・・・こしげの苦い思い出です。

みなさんもマットに倒れる時は柔らかすぎないかどうかチェックを忘れずに!・・・の巻でしたとさ。


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